Visit Peace

Visit Peaceとは

子どものメンタルヘルスについて専門家と対話できる場所

もっと気軽に、子どものメンタルヘルスについて専門家と対話できる場所 “Visit Peace” を運営しています。
Visit Peaceとは、フィンランドにある、子どもや養育者のメンタルヘルスをサポートするサービスを提供している場所の名前です。
その場所のように、子育てにおける悩みの交通整理を始め、包括的なメンタルケアができるようにすることを目標にしていきたいと思っています。

昨今の児童精神科初診待機時間の長さや、専門医の不足、医師の離職などが社会問題となっており、初診待機中に家族も含めて心身の不調が悪化したり、初診当日に子どもが受診を拒否し予約を取り直す、またコロナ禍では職員の病欠により病院運営に支障を来たすなど、も安定的に診療ができない事態になりました。

さらに、自分自身の周産期のトラブル、家族の介護や育児などで突然に勤務継続が困難となり、外来で関わっていた患者さんやご家族にそれから2度と会えないまま病院を辞めざるを得なかったことも経験してきました。いまもほとんど毎日、あの子は、あのお母さんはお元気でいらっしゃるだろうかと思い出しています。

あの時の私のように自分の病気や家族の看護などで勤務医継続が困難になってしまった同僚の話を聞くたびに、これは私だけの問題ではなく、医師の働き方、ひいては男女雇用機会にも関わってくることだと感じました。
なるべく安定的に継続して「そこにいる」ことができないものか、医療の枠を超えて出来ることはないか考え続け、この場所をつくりました。ご家族の伴走者として一緒にこれからのことを考えるお手伝いをさせていただければと思っています。

そのような中、スピード感を持って医療の枠を超えてできることはないか考え続けこの場所を作りました。
ご家族の伴走者として一緒にこれからのことを考えるお手伝いをさせていただきたいと思います。

代表 田中 宏美(精神科医)

児童精神科を取り巻く背景

年々増加する「子どもの精神科」受診数

少子化に伴う子ども人口の減少があるにもかかわらず、 子どもの精神科受診数は年々増加しています。 発達障害、 児童虐待、 不登校、 引きこもり などの問題も増加していますが、 いざ子どもが受診できる精神科を探しても、受け付けてもらえなかったり直近での予約が取れず困るという声が多く聞かれます。

児童精神科の初診の予約は数か月待ち?!

特に児童精神科の新患予約は数ヶ月から一年近くの待機期間があるのが社会問題にもなっています。
予約が取れたとしても初診まで長期間待っている間に、見守る家族の方もストレスや不安から自身のメンタル不調に陥ることが少なくありません。

児童精神科より比較的早く診てもらえる小児科や大人の精神科では、医師の診察時間は5分くらいだった、子どもの発達検査ができる臨床心理士がいない、カウンセリングはできないと言われたという声も聞かれました。
短時間しか診察時間が割けないのも、頻回に予約が入れられなかったり、医師による診察時間が短いのも、短時間でたくさんの患者さんを診察しないと病院経営が成り立たない制度になっているからなのです。
更に、児童精神科の専門外来は数が少ない上、他の科より診察に時間がかかるため専門にやる病院がそもそも少なく、予約が半年待ちになっています。
完全なる需要と供給のミスマッチです。 これは今の医療保険制度の改革が必要なところかもしれません。

進まない専門家の育成

医療や政治的観点からも、専門家の育成に加えて児童福祉支援体制をもっと整える必要があると痛感しますが、 残念ながらなかなか進んでいない現状です。

知りたい情報にアクセスしづらい

患者さんの相談歴を聴くと、 役所などに相談したが、相談員が今年から児童福祉の分野に配属されたばかりで話がなかなか通じなかった。育児サークルなどで相談したが母親の努力不足、愛情不足と決めつけられた、など、 「知りたい情報にすぐアクセスできない」 と困っていた親御さんもいらっしゃいました。
また、「病院に予約の電話を入れる」 前の段階で 「自分の子供を精神病扱いするのか?!」 と夫婦・世代間で意見が合わず今まで予約ができなかったと泣いていらした、あるお母さんの顔が今でも浮かびます。
相談内容によっては、教育に関わる問題だったり、 福祉が必要なケースなどもありますが、 ご家族や本人が抱える困りごとの交通整理をして適材適所に仕分けるということも医師が行なっていることが多いように感じます。
ここをもう少し、医療以外の枠でもできたら現場にいる医師は診断・治療にもっと専念できるのかなと思いました。
理想論とはわかっていますがより良い仕組みをこれからも考え続けていきたいです。

初診待機中に民間療法などにお金を使ってしまう・・・

さらに、予約が取れても初診まで長い待機時間が発生するため、 その間に何か少しでも家庭内でできることはないかとネットの書き込みや知人の 勧めを参考にし、中には効果が定かではない民間療法や健康食品に大金を注ぎ込んで生活が苦しくなったご家庭もありました。

やっととれた初診予約当日に子どもが来院できないと、、、

また、児童精神科受診を親御さんが予約したもののお子さんが外出できる心身の状態でなく、 また、診察を嫌がり初診当日に来院できなかったということもありまし た。そうなると予約待機の列にまた並び直しということになってしまいます。
臨床現場でそのような話を聞くたびに胸がぎゅっとなりました。

子ども(当事者)が来院できないと家族も相談できない

病院というのは、当たり前ですが、 体調の悪い方本人に来ていただくことが前提の医療サービスを提供しています。 病院に受診してもらって初めてカルテが作成されて、 私たち医師は当事者であるそのお子さん、ご家族から話を聴くことができるのです。

お子さんのメンタルヘルスについての相談先は 「あるようでない」

みんながみんな、 スムーズに初診を迎えられるケースばかりでなく、上記のように、お子さんのメンタルヘルスについての相談先は 「あるようでない」のだなと感じる機会に少なからず直面してきました。
特に、家庭から精神科医療へつながる前の段階において、受診すべきかどうか? 何を誰に相談すればよいかわからないといったところから、まず養育者をこそ、支える仕組みが必要だと感じました。
(自分の身に置き換えて想像しても、1人じゃ心細いに決まっています)

従来の医師の働き方と患者さん側からみた受診の状況

児童精神科の受診のニーズは年々高まっているが、予約から実際の受診まで時間がかかりすぎる。
また、今の医療保険の仕組み上、診察時間が長いほど赤字になってしまうため病院経営が困難な現状がある。そして、児童精神科の専門医育成には時間がかかる上、母子保健や福祉、教育、司法などの多岐の分野を兼務しているために激務であり、育児や介護、自分自身の病気などで勤務医を継続できない専門医も少なくない。更に、精神疾患を最も発症しやすいのは10代20代の若者である。
こうした社会問題を医療の枠の外からも何かできないかと考え、こうした場を設置しました。

●従来の医師の働き方と患者さんからみた受診状況

●私たちが目指すもの

1. 複雑なビジネス環境への適応

初診待機日数が3か月待ち。最長で10か月待ちの例もあり。
児童(6歳から15歳の子ども)を診療するメンタルクリニックはあるが、予約が取れない・予約が取れても・数か月~1年まちという現状。

Visit Peaceができること

1. じっくり話を聴きます

児童精神科医と直接対話できます。ご家族の持つ疑問や困りごとに対してじっくりお話を聴き必要なアドバイスをさせていただいたり、解決策を一緒に考えます。ひとに話すことでより深い洞察や気づきが得られることもあります。お一人で悩まずまずはご相談ください

2. 悩みの本質や問題点の整理

悩みを分解していくと、「誰の」悩みか、ということが明らかになることがあります。
じっくりお話を伺い、多角的な視点で問題解決の伴走していきます。

3. 一人一人に寄り添う

例えば「不登校」といっても、背景は様々です。さらにご家族の歴史や、その子を取り巻く環境などが複雑に絡み合っている場合もあります。一度でズバッと解決は難しいかもしれませんが、絡み合った糸を解きほぐすことから一緒に丁寧に対話を重ねていきたいと思っています。

4.時間に追われない心の余裕

絶対的に子育て中の親は忙しすぎます。
オンラインならではの柔軟なスケジュール調整や遠隔地との連携も容易です。時間の見通しも経ちやすくなり、こころの余裕が生まれます。更に交通費もかかりません。